第二十二話~僕の幸せとは……その三~

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退院して一週間という短い時間だったというのも不安だ。 僕は彼女の体調が落ち着いてからと考えていたが、うながしたのは彼女自信だ。 「早く、あなたのお嫁になりたい……」 そう言われて僕も予定を早めてしまった。 僕は思っている以上に単純らしい。 二つ返事でOKを出した。 だって男冥利に尽きるだろう? 惚れた相手にそんなことを言われたら。 そして僕らの婚姻届は無事に受理された。 それを伝えられた瞬間、彼女は僕に向かって頭を下げた。 「これから一生、宜しくお願いしますね。旦那様」 僕は慌てる。 「頭をあげて!そんな、かしこまることないよ!僕らの間で!」 彼女は頭をあげて、くすくす笑う。 「そんな慌てることでした?あなたって本当に面白い」 どうやら僕は夫婦になった瞬間にからかわれたらしい。 もう長い付き合いなのに僕は彼女の一挙一動に大慌てをする。 こんな僕をよく選んでくれたものだ。
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