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一つは魂になって天国の神様から許可を得て僕らに会いに来る者。
今、僕らの目の前には天国からのお客さまがいる。
一人の少年だ。
膝をついて僕らに頭を下げている。
「どうか!お願いします!」
僕はそのお願いにものすごく困っている。
天国に行って魂になった者は誰もが出来るようになることがある。
それは人の死期が見えるということだ。
この少年は事故で亡くなったのだけど、天国からお父さんの死期が見えたらしい。
そのお父さんを救って欲しいという者だった。
神猫のお仕事で僕とシロの役目が違うことがある。
その一つが亡くなった人の魂を僕が天国に送り、シロが地獄に落とすということだ。
この少年のお父さんはシロが地獄に落とすことが決まっている。
シロのその決定に僕が口を出すことはない。
でも、この少年はどこかでお父さんが地獄に落ちることを知ったらしい。
「……それは運命なんだから……」
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