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この少年、天国に昇るときに僕に会ったから僕に頼みに来たのだろう。
シロは僕に頭を下げる少年を毛繕いしながら眺めている。
「でも!天国の神様はそれを頼むなら神猫だって!神猫なら叶えてくれるって言ったんです!」
僕はちらりとシロを見る。
「……でもね……」
そう言いかけるとシロが間に入った。
「君はお父さんを救うためなら、どんなことでも耐えられるんか?」
「シロ!」
僕は声をあげる。
シロがどんな選択をするか見当がついたからだ。
「一つの魂を救うためにはね。二つの魂を犠牲にしなきゃならないんよ。だから、お父さんの魂を救うためには君の魂ともう一つ必要なんよ。……君はお母さんの寿命が近いのもら見えてるんよね?」
少年は唇を噛み締めてこくんとうなずいた。
「……お母さんを助けるために夢枕に立ったらお母さんはお父さんを助けて欲しいって……。お母さんもお父さんが危ないのに気がついていたみたいで……」
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