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僕は不思議だった。
地獄に落とされることが決まっているひどいお父さんなのに、なぜ、この親子は魂をかけるのだろう。
「……ええよ」
シロがそう言った。
「そんなのダメだよ!」
僕は声をあげた。
でもシロはお構い無しだ。
「君のお父さんは本当は刺されて亡くなるんよ。それをお母さんに代わってもらう。そして君は君のお家の木に生まれ変わってもらう。君は長い木の一生を終えるまで人に生まれ変わることも天国でお母さんに会うことも叶わなくなるんよ。それでもええんなら、またおいで。お母さんとよく話してな……。夢枕くらい楽に立たしてやるから」
少年はまた、こくんとうなずいて、すうっと消えていった。
お母さんの夢枕に立ちに幽霊になってお家に向かったんだ。
「……シロ、ひどいよ……」
少年が消えて僕はシロに詰め寄る。
「なんで、そんな厳しい選択をするのさ!長く生きられれば、あの子のお父さんだって天国に行けるようになることだってあるはずだ!」
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