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「区役所行こうか。帰りの支度してくるね」
玲奈は教室へ移動して帰り支度を済ませ、光一と共に区役所へ向かう。
「戸籍取ってくるね」
光一は区役所の駐車場に止めた車に玲奈を残し、倉沢の戸籍を取りに行った。そして、それを手に戻ってくる。
玲奈は光一から受け取った戸籍を確認した。
倉沢の夫が亀田であることが判明した。
(犯人はあの人か。後は証拠と動機の解明ね)
「お兄ちゃん、倉沢先生の家行って」
光一は倉沢のマンションに車を走らせた。
管理人に警察手帳を示し、倉沢の部屋を解錠してもらって中に入る二人。
「では、ご用がお済みになりましたらお声をお掛け下さい」
管理人は去った。
玲奈は倉沢の机の上に日記帳を見付けた。
そこには亀田に対する不満や怒りが綴られていた。
(なるほど)
「お兄ちゃん、学校戻るよ」
玲奈と光一は学校に移動し、現場検証が終わった職員室の亀田を訪ねた。
「木崎か。まだ何か用か?」
光一は亀田に戸籍を突き付けた。
「貴方、倉沢さんと籍を入れていたみたいですね」
「そ、それが何か?」
玲奈が日記帳を取り出す。
「これ、倉沢先生の日記なんだけど、亀田先生に対する不満や怒りが書かれていたわ。亀田先生、離婚を求められてたんじゃない? それで話が拗(こじ)れて殺害した。別れるぐらいなら殺して自分も死のう。そうでしょ?」
亀田は床に膝を着いた。
「何で判ったんだ……。木崎、全部君の言う通りだよ」
光一は亀田に手錠をはめ、玲奈と共に被疑者を署に連行した。
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