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「こんにちは、お久しぶりです」
あたしはやっと本当の笑顔になって、店の中を進んだ。
ほお、今日のメンバーはラプンツェルと店長か。ニッコリと微笑む岡崎さんに笑顔を返しながら店を見回すと、見慣れない男性店員が二人目に入った。
おお?もしかして、新しいバイトの人たちかな?彼等の会釈につられて会釈を返す。
この春に就職で辞めた子犬系美男子の守君の代わりのメンバーが、店に入ったらしい。それに、二人も?しかも―――――――
気にしながら店を進み、心の中で拍手をする。あ、ラッキー、あたしの席空いてる。
時間帯が良かったようで、ほぼ満員のこの店でのあたしの定位置はまだ空いていた。
嬉しくそのカウンター一番奥の椅子に滑り込む。
久しぶりの岡崎店長が、見るものをとろけさせる笑顔でカウンターの中から言った。
「薫ちゃん、久しぶりだねー。旅行は楽しかった?」
あたしはハイ!と元気に返事をして、ぐぐっと身を乗り出す。
「岡崎さん、彼等は新しいバイト君達ですか?」
店長がにっこりと頷く。
あたしは肩越しにキャッシャーの所で棚の整理をしている彼等を見た。守君に代わる、この店の新しいバイト君たちは、何と、双子だった。
「・・・二人も必要だったんですか?」
声を潜めて聞く。
だって守君とラプンツェル朱里、それに金髪団子ヘアーが特徴の由美ちゃん、それに岡崎店長の4人で、ここ数年回ってきたこのお店だ。二人もいるのかしら、と思って。
岡崎さんは爽やかにあはははと声を出して笑い、だってね、と言った。
「双子ってだけで楽しいかと思って」
・・・・そりゃあそうかも、ですが。あたしはつい苦笑した。ある意味素敵な理由だ。
もう一度振り返る。
守君と同じくらいの身長かな~・・・ってことは175センチくらい?ほぼ同じ髪型をしているけど、髪の色が違うので判別はつきそうだ。シンプルな作り、でも瞳が大きくて可愛い感じ。
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