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プロローグ
「おーい、紅。もう授業終わってるっすよー。早く起きるっす」
肩を結構な勢いでつつかれる感覚がし、突っ伏してた体を起こす。
「ん……桜か…………おはよ」
授業終了の知らせをうけ、僕、柊 紅(ヒイラギ クレナイ)は夢の世界から帰還する。
そして、隣の席に座る桜こと桜木 桃華(サクラギ モモカ)
に寝起きの挨拶をする。
大きく伸びをしながら欠伸をしていると、呆れたようなため息が聞こえてくる。
「や、もう放課後っすから。夏休みに入る前からボケてるって……大丈夫っすか?」
……最近寝不足なんだよなぁ。
変な夢見るし。
その事を伝えると、桜は
「何の夢見てたんすか?」
と、聞いてくる。
「正直余り覚えていないんだよね。
たしか、いつも通り桜と一緒に帰っててさ。
で、途中で場面が切り替わって、全く見覚えの無い森の中にいて…そこで終わった」
質問に答えると、桜は
「ふ~ん、何かありそうっすね、それ」
と、楽しそうに呟く。
僕って何故か予知夢見やすいんだよなぁ。
もしかしたら、この夢も予知夢なんじゃないかって考えると、まあ楽しそうだけど、大変そうでもあるよなぁ。
「まあ、一応僕は何があっても良いようにしてあるから、大丈夫かな」
「よし、じゃあいくっすよ!」
「どこに!?」
それとなく呟いた言葉を拾われ、いきなり出発を宣言される。
桜の話だと、既に終礼は終わっているらしく、もう帰っても大丈夫とのこと。
で、夢が予知夢かを確かめに行こうってことらしい。
そして、桜に連行されるようにして、僕らは学校を後にした。
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