エピローグ

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前日から降ったりやんだりと続く雪で、辺りは真っ白だ。 ふと思い立ち、雪の乏しい関西に住む美由紀に雪景色を撮って送った。 美由紀とはこうしたたわいもないメールのやり取りをほぼ毎日やっている。 美由紀から届くのは、大抵は仕事の失敗談か社食メニューの写メだ。 私は再就職先のホテルで企画や社員教育の仕事にもかかわらせてもらうようになり、田舎ながら仕事は充実している。 ただし、何かと口出ししてくる淳平のせいで、市内のいろいろな活動に首を突っ込む羽目になっている。 今日の集まりもそうだ。 地元の町は静かでのどかという特長を生かした施策が徐々に実り、移住先のランキングにも顔を出すようになった。 穏やかに緩やかに、私も町も歩みを続けている。
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