エピローグ

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まだまだ時間に余裕があるので、庭の新雪に足を踏み入れた。 お祖父ちゃんが大事にしていた松の木の枝が重たそうにしていたので、雪を払ってやる。 建て替える際、淳平が古い庭木を傷つけないよう残して設計してくれたので、庭には子供の頃の懐かしい思い出がまだあちらこちらでかくれんぼをしているようだった。 前よりずっと快適そうな真新しい囲いでは、チャボが茶色の身体を丸めて藁にもぐりこんでいる。 水を通さない温かな手袋と帽子は、香穂からのプレゼントだ。 香穂に見えるよう、空に向かって笑顔で手を振って見せる。 でもしばらく振った後、淳平に目撃されたら、気がふれたかと思われそうだと気づいてやめた。
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