第2章

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あれから1ヶ月が経つ。 あの、“私の命拾うよ”発言をした男からはなんの連絡もない。 まあ、所詮そんなもんか。 見ず知らずの女の人生なんて欲しくない。 期待していたわけではないけど、ちょっとは期待してしまう。 ―――なんて矛盾してることくらい私自身が一番よくわかってる。 でもヤって逃げるような男でもなさそうだし……。 あのときわかったことは 男の名前は森 新(モリ アラタ)。 年齢は29歳でカメラマンをしているということだけ。 あとは“いのちを捨てたくなったらいつでも連絡して”と電話番号が書かれた名刺を渡された。 でもあれから1ヶ月、男からの音沙汰はなし。 私からかけるべきなのかなんて思っていたけど、かけてどうする?何話す? 病気のこと? いや、それは止めておこう。
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