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10月の海は心地がいい。
寒くもなく、暑くもない。
平日の昼過ぎはさすがに人はいなくて
それがいっそう私に悲壮感が襲う。
どうしようか、このまま―――
そう思いながら一歩海の方へ踏み出す。
“カシャッ”
とシャッター音が聞こえて横を向くと
カメラを構えた男の人が立っていた。
その男は躊躇うこともなく次々にシャッターを切っていく。
「………あの、」
なんだこの遠慮もない男は
と思いつつ呆れ気味に問う。
「なんなんですか?」
、
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