第1章

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10月の海は心地がいい。 寒くもなく、暑くもない。 平日の昼過ぎはさすがに人はいなくて それがいっそう私に悲壮感が襲う。 どうしようか、このまま――― そう思いながら一歩海の方へ踏み出す。 “カシャッ” とシャッター音が聞こえて横を向くと カメラを構えた男の人が立っていた。 その男は躊躇うこともなく次々にシャッターを切っていく。 「………あの、」 なんだこの遠慮もない男は と思いつつ呆れ気味に問う。 「なんなんですか?」 、
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