第1章

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私はまた視線を海に向けながら言った。 「私だったら試合放棄すると思う。」 そう言うと男はまた軽く笑って私の頭に手を置いた。 「私だったら耐えられない。私ならこの命、投げ捨てちゃうね。」 すると今度は首に腕が回されて引き寄せられた。 「じゃあ、俺がその命拾うよ。」 ニッと笑った男の顔はさっきの寂しそうな表情と違って子どもみたいな顔をしていた。
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