10年越しの片思い

2/2
前へ
/8ページ
次へ
あの人。 時森 ひろあき。 と、であったのは18歳の夏。 高校でのバレーボールを引退してすぐ始めたバイト先の先輩だった。。。 「なぁ、邪魔」 ヒロとの最初の会話はこれだった。 地元の同級生が多く働いていたバイト先はすぐに馴染めた。 だから、少し気が緩んでいた時の一言に正直、 腹が立った。 「すみません」 愛想悪く答え、 その場を去ろうとすると 「時森くん、そんな言い方したったら可愛そぉやん!」 厨房のおばちゃんが声を掛けてくれた。 「いや、だって俺あがりたいのにそんなとこおられても邪魔やん」 笑いながら事務所のほうへ行くヒロを見送り、 おばちゃんへと視線を戻す。 「言い方キツいけど、慣れたらいい子やから」 フフっ。 っと笑って、おばちゃんはまた、 トントントンと包丁を動かし出した。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加