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あの人。
時森 ひろあき。
と、であったのは18歳の夏。
高校でのバレーボールを引退してすぐ始めたバイト先の先輩だった。。。
「なぁ、邪魔」
ヒロとの最初の会話はこれだった。
地元の同級生が多く働いていたバイト先はすぐに馴染めた。
だから、少し気が緩んでいた時の一言に正直、
腹が立った。
「すみません」
愛想悪く答え、
その場を去ろうとすると
「時森くん、そんな言い方したったら可愛そぉやん!」
厨房のおばちゃんが声を掛けてくれた。
「いや、だって俺あがりたいのにそんなとこおられても邪魔やん」
笑いながら事務所のほうへ行くヒロを見送り、
おばちゃんへと視線を戻す。
「言い方キツいけど、慣れたらいい子やから」
フフっ。
っと笑って、おばちゃんはまた、
トントントンと包丁を動かし出した。
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