3-二宮浩平の場合

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「あのね…」 一瞬だけ、佐々倉は俺のことを見た。 …ん? 「武田くんに、話あって…というか…えっと…」 少しだけ顔を赤らめる佐々倉。 …待って、これもしやさ、雅人に告白しますよ、パターン? んで、俺はお邪魔なパターン? 「あ~、じゃ、俺、先帰るわ。」 「え?…え、ちょ、浩平待てよ、佐々倉、それ今日じゃないとダメ?」 「あ、う、別に今日じゃなくても大丈夫、むしろ…」 その後の言葉を濁す。 へぇへぇ、俺は邪魔だから俺がいないときの方がいいってことですか。 そうですかそうですか。 「いいよいいよ、気にしないで。話、聞いてあげたらいいじゃん。」 「おい、今日バッティングセンター行くって言ってたじゃねーか!」 「また今度でいいから~」 「えっ、おい、浩平!」 俺は、追いかけてきてほしくなくて結構なスピードで走り出した。 雅人はそこまで足速いわけじゃないから、きっと俺を追いかけはしないだろう。 …今の俺の顔、雅人に見せたくない。 すごく…嫌な顔してる。
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