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「あのね…」
一瞬だけ、佐々倉は俺のことを見た。
…ん?
「武田くんに、話あって…というか…えっと…」
少しだけ顔を赤らめる佐々倉。
…待って、これもしやさ、雅人に告白しますよ、パターン?
んで、俺はお邪魔なパターン?
「あ~、じゃ、俺、先帰るわ。」
「え?…え、ちょ、浩平待てよ、佐々倉、それ今日じゃないとダメ?」
「あ、う、別に今日じゃなくても大丈夫、むしろ…」
その後の言葉を濁す。
へぇへぇ、俺は邪魔だから俺がいないときの方がいいってことですか。
そうですかそうですか。
「いいよいいよ、気にしないで。話、聞いてあげたらいいじゃん。」
「おい、今日バッティングセンター行くって言ってたじゃねーか!」
「また今度でいいから~」
「えっ、おい、浩平!」
俺は、追いかけてきてほしくなくて結構なスピードで走り出した。
雅人はそこまで足速いわけじゃないから、きっと俺を追いかけはしないだろう。
…今の俺の顔、雅人に見せたくない。
すごく…嫌な顔してる。
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