3-二宮浩平の場合

3/23
前へ
/138ページ
次へ
俺がデートしよ、と堂々と言ってもこいつら2人が特に変な顔をしないのは、雅人とこうなる前から俺は雅人を何かに誘うとき、デートしよ、と普通に使っていたからである。 「…しょうがねーな…」 で、雅人はいつも俺に付き合ってくれる。 2人もわかってるんだ。 「そっかぁ、じゃ、大河、俺たちは夕飯の買い物でもしてこっか。」 「おぉ、そうだな、またな、浩平、雅人。」 「じゃーなー。」 「明日ねー、浩平、雅人ー!」 大河と雅人は仲良く色違いのパーカーを着て、教室を出て行った。 …ある種、ペアルック… いいな、そういうのなんか、羨ましい。 「…で、どこ行くんだよ、今日は。」 荷物を片付け終わった雅人が鞄を肩にかけながら訪ねる。 「ん、今日はバッティングセンター。従兄がいらないって、割引券くれた。」 「ふーん。…じゃ、いこ。」 そう言って、まだ残っているクラスメイトにばれないよう、遠慮がちに俺のシャツを引っ張った。 うわ…可愛い…
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

233人が本棚に入れています
本棚に追加