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雅人が佐々倉紫織に告白されたであろうその日から、もう2日も経った。
のに。
俺はもとより、大河や龍にも何も言ってこない。
当の本人は、何もなかったかのよう俺たちに接してくるから、こっちもどうしていいのかわからない。
…いつもは言ってくれるのに…
俺は悶々とするしかない。
そんなに雅人のことを気にするのは初めてで、あぁ、自分はだいぶ参っているんだなぁと思わされる。
雅人のことが、好きなんだなぁ…
「なぁ、今日お前の家行っていい?」
「っ、ふァッ?!」
「…なんなの、その奇声…」
肘をつき、窓の方を見ながらぽけー、っとしていたら雅人にいきなり声をかけられたので、思わず驚いて変な声をあげた。
「…別にいいよ、暇だし。」
「ん。じゃぁ、一緒に帰ろう。」
そう言って、雅人が俺の所から離れた。
あっ、待ってっ
「雅人ッ!」
「っ、ん?」
思わず呼び止めてしまって、困惑する。
俺、何を言おうとしたんだ。
「どうした、浩平?」
「あ、えっと…」
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