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「な、なんでもないよ!」
「ふぅん…変なの…まぁ、浩平はいつもおかしいけど…」
「なにそれ!酷くね?!」
どうやって切り出せばいいんだ。
だいたい、切り出してどうするんだ。
「ちょっと待ってて。今、下から飲み物持ってくるわ。」
俺の家につくまで雅人はあまり口をきいてくれなかったから、俺は何となく今2人きりになるのは嫌だなと思い、口実を作って少し時間を稼ごうと思った。
「…いや、いいよ。」
「でも、喉乾いただろ、俺も…」
「だから、いいって!」
バンッ、と扉を叩く雅人。
鋭い目で俺を射貫く。
その絵図らは、まさしく壁ドン。
「…壁ドンですか、雅人さん」
「…お前の方が、背、高いけど。」
す、と扉から手を離し、ベッドに腰掛ける雅人。
怒っているのか、泣きたいのか、よくわからない表情を見せた雅人に、俺は少し動揺した。
「…どうしたんだよ…なんか、俺悪いことした?…俺のこと、嫌いになった?」
それで、俺を捨てて彼女と付き合うのか?
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