3-二宮浩平の場合

13/23
前へ
/138ページ
次へ
「佐々倉さ…別に、俺のコト、好きじゃないよ。」 「え?」 「寧ろ、お前だよ浩平。…浩平が好きなんだって。」 「…え?へ、え?」 予想外の言葉に驚くしかない。 俺のことが、好き? 「え?じゃぁ、なんで雅人に…?」 「俺が雅人と一緒にいるからでしょ。…お前に、好きな人がいるのかな、とか、仲良くしたいから手伝ってほしい、とか言われた。」 「お、おぅ…」 どう反応していいのかわからず、俺は曖昧に返事をする。 だって、一応好きな相手に、お前のことが好きなんだってと言われても… 「…悪い、俺、お前に好きな人いて、で、その人のこと大好きだから、無理だよって…言っちゃって…」 ごめん、と雅人が頭を下げた。 「勝手だとはわかってたんだけど…でも、やっぱり嫌だったんだ。…お前をとられてしまうのが。」 「雅人…」 「俺はやっぱり男で…お前も男で…佐々倉が告白したら、俺を捨てるんじゃないかと思ったら…」
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

233人が本棚に入れています
本棚に追加