ホワイトボード

4/8
前へ
/8ページ
次へ
  簡潔に言ってしまえば、私はその行為に、はっきりとしたエゴを見たのだ。 一つがそう見え初めてからは、広告も、啓発も、らくがきも、アートも、そのどれを取っても、エゴというその一点から逃れられそうになかった。 良い悪いの話ではなく、この誰の物でもないホワイトボードは、それ故に、書き込む人たちのあらゆるエゴを、何も言わずに受け止めてきたのだ。 だからこんなにも真っ黒なんだと、そう思った。 そして私は、その恐ろしいまでの人間臭さに辟易してしまったのである。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加