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あのホワイトボードに書かれていた無数のエゴを全て足し合わせても、このエゴだけには勝てないかもしれない。
しかしどうしてだろうか、こんなに大きなエゴを見せつけられているのに、不思議と私の心は晴れやかなのだ。
好きだと言われたのが単純に嬉しいなどという訳ではない。きっと書かれていた名前が、自分の物じゃなくても同じように晴れやかな気持ちになっていたのだと思う。
一つ理由を挙げるならば、潔さだ。
あの真っ黒なホワイトボードのどの書き込みにもなかった潔さが、この真っ白なホワイトボードからは感じられる。
見られても見られなくても同じだったあの書き込みたちにはない、見てくださいと言わんばかりの潔さに、胸を打たれたのだ。
逃げも隠れもしないありのままのエゴに、純白さを感じたのだ。
そこまで考えて、気付けば私はこれを書いた人に会ってみたいと思うようになっていた。
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