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「じゃあ解った、私奏くんに協力する。ジスティア聖教の異端審問官たちをやっつければいいんだよね」
『聖はそれでいいの?本当にその答えで悔いはないの?』
バルバドスが少し不満げに聖に問いかけている、俺からすれば予想外だが受け入れない手はない。
「悔いはないよ、けど一つだけ条件がある。その条件はもちろん普通に学校生活してここで情報を集めるっていうこと」
なるほどそういう手で来たか、けれど俺の目標に最終的にたどり着けるのなら断る必要はない。
ようはまた偽りの仮面をかぶって学校という窮屈な場所に行けばいいだけ。
「お前が協力してくれるならそれで構わない」
俺の悲願のために今は耐えよう。
自分を偽る悲劇を演じよう、簡単な役だ、全てを偽り嘘の笑顔で虚飾するだけの役。
「そっか良かった」
聖は俺の知らない、もう二度とできないであろう本物の笑顔で俺に微笑みかけた。
「明日からまたよろしくね奏くん」
「うんよろしく聖」
偽りに満ちた世界で俺は配役通りに演じるのだ、狂った俺の人生という名の悲劇を……死ぬまで。
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