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守るべき娘とぶつかりそうになる敵へ勢いよく、顔面に向けてクリームケーキをぶちまける。狙いはまさに完璧で、相手の顔面は真っ白だ。
目を白黒させる無遅刻無欠席の皆勤賞な娘へ「遅刻、するぞ」と声をかけ、背を押した。
動揺する転校生の声も顔も知らぬまま、走り出す娘へグッジョブと親指を立て、男はスライディング土下座をしつつ「俺の昼食ケーキがっ!」と嘆き悲しむ。
そして、食べ物を粗末にした自分を一発殴るとケーキに謝り、少年へと謝罪を行った。
それが会長の今回の武勇伝である。語り終えた会長は、ふっと口元を緩めた。
今では、その転校生とはよく語り合うようになり、無料通話とメールが可能なラインをしている。追加で、転校生は組織の一員になっているのだと高らかに告げた。
どよめく彼らに「シスコンは敵ではなく、仲間だ。取り込み方法は企業秘密だが、フラグは建築させないようにな」と締めくくり、報告会は終了した。
「流石は会長ですね」
「俺には真似できねえ。やったら、アウトになりそうだ」
「そこに痺れる、憧れるー!」
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