オレクロ報告会

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 すべての書類に目を通す会長は、報告者が席に座ると、溜息を吐き出す。鋭い瞳に宿る光が恐ろしく、新人は怯えて震えてしまう。  流石は、噂になるほど力がある会長の一睨み。その眼光で、組織を瓦解させようとした相手を改心させた伝説を持っている。一声には、敵を壊滅させる力がある。など、嘘か真かわからないものばかりだ。そんな噂に振り回される新人は、会長に強い憧れを持っている。  後に新人は初めて出席した記念の報告会を熱を持って語る。会長の後ろに後光が差している、と新人は幻覚を見たのだ。  もちろん、何かおかしな薬はやっていない。ハイテンションになっているわけでも、睡眠不足で頭がやられているわけでもない。ただひたすら、消え去った怯えの心は、歓喜に打ち震えていただけである。 「甘いな、てめら。それでもオレクロ会員か。内を崩し、味方を作らなければやっていけないこともある」  響く低音に、背筋が伸びる。誰もが息を詰めて、会長の言葉に耳を傾けた。
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