1.春、あいつとの接点

11/12
前へ
/87ページ
次へ
2、3分もしないうちに飯田は落ちたようだった。安らかな寝息が聞こえる。これで大イビキかきやがったら、図書館という場所柄、速攻で叩き起こしてやるんだが。 あまりに無防備な寝姿に、俺はクスッと笑った。 ……てか、まつ毛長。改めて見るときれーな顔してんな……。 いかんいかん!ヤローの寝顔に見とれてどうする! 結局飯田は、俺が起こすまでもなく20分ほどで勝手に目を覚ました。 びっくりするほど寝起きも良かった。 「俺、なんか寝言言ってなかったー?」 「別に。夢でも見た?」 「ん、言ってなかったなら良いや」 「なんだよ。どんな夢だよ?」 「……お前が」 「俺?」 「出てきた、それだけ、おしまい!」 「はぁ?気になるじゃん!」 「……気にしてろよ」 とまぁ、そんなやり取りをしつつ図書館を後にした。 テストまで、あと1週間。飯田も俺も、これといって特別なテスト勉強してないけどこれで良いのかな?
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加