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「順位表出てるぞ」
渡部に言われて、俺は職員室前に急いだ。
すでに掲示板の回りには人垣ができていて、生徒たちが一喜一憂していた。
俺はこれまで学年200人のうちで真ん中にいれば良い方、大体が中の下あたりだったので、90番台から下に向かって自分の名前を探していた。
「……ないし。どこだ?」
さすがにおかしい。150番まで来たけど、見当たらない。
そんなに下にいるはずはないが、と今度は上に向かって探し始める。
「……あった!……ってマジで?」
54位 広野拓海
マジで?信じられなかった。
これはもう、飯田にノート貸し始めてから俺に良い影響が出た、としか思えなかった。
「……っそうだ!飯田……」
「うっそ!」
12位 飯田正成
……あいつ、頭良かったんだな。
なのに俺のノート写したりなんか……。もしかしてそんな必要なかったんじゃ……?
俺はため息をついた。
「ひーろーのっ」
人垣の向こう側で、ため息の原因の張本人が手をぶんぶん振っている。
飯田はこっちに駆け寄ってくる。めっちゃ笑顔だ。
その笑顔、女子に向けろよな。殺傷能力高いぞ。
「見てよ!12位だって!お前のおかげ!」
興奮ぎみに飯田が言う。
「……お前がもともと頭良かっただけだろ」
「いーや!絶対広野サマのおかげだって!俺、テスト中にお前のノート丸ごと頭に浮かんでたもん」
……もんって。
まぁいいか。飯田の好成績に、俺が貢献できたのなら。
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