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「じーんちゃん、あんま広野困らせないでね」
「ま、確かに超普通のくせに堂々としてるし、よく見りゃ小動物的なとこもあんな、愛玩系の」
あ、愛玩って……。
てか、飯田は?俺のことどう思ってんだろ?
聞くに聞けなくて、でも知りたくて、俺は飯田の方をじっと見つめた。
飯田はちょっと肩をすくめて、いつもみたいにヘラッと笑った。
「俺もかわいーと思うよ」
…………かわいい?……かわいい…………。
どう考えたって男子に対する誉め言葉だとは思えなかったが、梅雨のじめじめでどっかサビちゃってる俺の脳はなんか喜んでた。
渡部が隣で目を見開いていたが、それはスルーした。
「……かわいーとか、ナリまじ沸いてんな」
と安藤。別に安藤にどう言われたって、気にもならない。
俺が気になるのは……
は?気になる?……いやいや、やめよう。このネタは強制終了。
俺は頭をぶんぶん振って、開きかけた心の扉を無理やり閉じた。
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