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7月。
金曜日、放課後。今日は週1の部活日だ。
「……というわけで夏休みまであと1ヶ月切ったんで、実験すんだら合宿の打ち合わせに入りたいと思います」
「部長ー。今年はどこ?」
「はいはい、皆さん気になるとこですね。今年は……なんと!」
「なんと?」
「OBの鈴城先輩のご厚意で、鈴城家所有の無人島に行けることになりました!」
部長の今橋と佐川の会話を聞きながら、斜め前にいる飯田の顔を盗み見る。
白衣姿もサマになってんな。俺が着たらちょい背伸びした給食当番の小学生って感じになるのに……、くそ。
俺の視線に気付いたのか、飯田はパッと振り返って興奮ぎみに言った。
「む、無人島だって!マジで?」
「……あー。マジだろうよ。鈴城先輩って超ボンボンだから、島の一つや二つ持ってそうだしな」
「すげー!なんか楽しみになってきた!」
うちの部は文化部の中でも人気がないので、部員は少ない。
2年は生真面目メガネな部長の今橋と、騒がしい佐川、俺、新入部員の飯田。1年はガタイが良く柔道部と掛け持ちしてる阿部と、ちっこい小須田の二人。
あと合宿とか文化祭みたいなイベントは、中等部も合同になる。
と言っても、中等部は3年生2人しかいない。アニオタの乃村と加藤。漫画研究会にでも入れば良いと思うのだけど、部員不足で存続が危ぶまれるため小さなことを気にしてはいられない。
それから顧問の倉本先生。ヒゲでいかにも理系の先生って雰囲気だ。
こんなメンツなので、部長の今橋をフォローするのは必然的に俺になる。まぁ生き物は好きだし、部長みたいな表に立つポジションよりも裏方の方が向いてる気がするし、別に不満はない。
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