2.梅雨、俺はあいつを……。

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進学校の高2なので、進路のこともおぼろ気ながら考えている。 俺は海が好きだ。物心ついたときから水遊びに始まり、素潜りしたり遠泳したり、ただ漂ったりとにかく海に居られるなら幸せだった。 特別ロマンチストな方ではないと思う。でもなぜか海は、俺の全てを知っていて包んでくれる。そんな気がしていた。 生き物と海。そんなわけで俺は漠然と、海洋生物に関わる進路を考えていた。 「な、飯田」 実験も終わり合宿の打ち合わせ中、俺はなんとなく飯田に話したくなった。 「お前は海って好き?」 飯田は少し不思議そうな顔をしたが、ゆるく口角を上げて答えてくれた。 「好きだよ。潮のにおいっていいよな。海が近くなってくるとにおいでワクワクする」 「そっか。俺も超好き。子供のころは夏になると近くの海水浴場に週3ぐらいで通ってたんだ。さすがに高校上がってからは減ったけどな。将来海に関わる仕事したいって思うくらいに好き」 「すげー。そんなに?仕事って……ライフセーバーとかダイバーとかそういうの?」 「……キャラじゃないだろ。俺、海洋生物の研究とか興味あるんだ。進路もそっち方面考えてる」 「マジ?進路とか俺全然だよー。すげーな、広野は。なんてか、ビジョンがすごい」 「好きなものがハッキリしてるからかな。好きなもの以外はあんまり興味わかないんだ」 「頑張れよ!好きな仕事一生できたら良いな」 「ありがと……」 力一杯応援されて、ちょっとくすぐったい気分になった。 今度はこちらに向き直った飯田が聞いてきた。
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