2.梅雨、俺はあいつを……。

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***** 週明け、火曜日放課後。 今日は飯田と図書館の約束もないし、家に帰ってゲームの続きでもやろうと最寄り駅までの道を一人歩いていた。 「マッジで?」 「てか、ありえなくなーい?」 駅前、デカイ声で騒いで目立ってる集団がいた。 「同じ制服じゃん……。迷惑な……」 近づくにつれ、それが見知ったやつらだと気付いた。 「女連れかよ……」 そういや火曜日暇かとか言ってたな、陣内が。 陣内、安藤と飯田が、三女の制服を着た5人くらいに囲まれてた。 かなりスカート丈が短い。三女はお嬢様校なので間違いなく校則違反だろう。化粧もケバいな……。 「お、広野じゃね」 安藤が気付いた。 気付くなよ、今日はお前らと関わりたくないんだ。 「ホントだ。広野ー今帰り?」 「……うん」 「俺も帰ろっかな」 く、空気読め!飯田! 「えぇーっ!ナリくん帰っちゃうのぉ?ナリくんいないとかマジないしぃ」 一際ケバいのが言う。 睨むな!俺のせいじゃねー! 「……たまには付き合ってやれよ。じゃあな、飯田」 俺は片手を上げると、飯田の顔を見ないように小走りで改札を抜けた。 後ろでカラオケ行こうぜー、とか言う陣内の能天気な声が聞こえた。 だよな。 あいつ、モテるんだよな。イケメンだしな。 なんか当然の現実を目の当たりにして、ちょっと腰が引けてる自分に気付いた。 そもそも縁なさそって思ってたもんな。
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