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「広野ー」
相変わらず、飯田との放課後図書館生活は続いている。
「行くか、図書館」
俺も飯田ともっと仲良くなるべく、3回に1回は積極的に図書館に誘うようになっていた。
「見て見て!」
「……ノート?」
「そ、俺のオリジナルのやつ!」
「オリジナルって……」
苦笑しながら飯田のオリジナルノートとやらを開く。
「おっ!見やすいじゃん」
「だろ?俺すごい?中間のあとから頑張ってたんだわー」
「これだと俺の写す必要なくね?」
「えぇっ……それは……、そうだけど、ま、でもテストだし。一緒に勉強しようぜっ」
焦ったように、飯田が言った。逆に俺は、ほっとした。
俺も正直、自分で必要なくね、とか言っといて、すぐヤバいって思ったんだ。
飯田との接点が、少ない接点のひとつがなくなるって……。
「普段どんなふうに勉強してんの?」
そういやこいつ頭良かったな、と思いながら俺は飯田に聞いてみた。
「んー。俺は教科書熟読派かな。テストに出ることって、ほぼ教科書に書いてあるだろ」
「教科書か……。だよな」
「あと数学とかは1冊の問題集を繰り返し解くかな」
なんか、シンプルだな。
「いろいろ準備したりとかあれこれ手ぇ出すの、好きじゃないんだ。俺って一途なんだぜ?」
そう言って、飯田はヘラッと笑った。
笑顔に当てられて、俺はしばらく表情を作るのを忘れていた。
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