2.梅雨、俺はあいつを……。

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昼休みの教室はにぎやかだ。 梅雨はまだ明けておらず、飯田たちは教室でたむろってる。 「ナリー、いいかげん良いだろ?」 「何がよ?」 「ユミちゃんにメアド教えろってずっと言われてんだよ」 あぁ、こないだのカラオケの女の子かな。積極的だなぁ。 「陣内が教えてやれば?」 「ちっげーよ!お前のメアドだよ!俺のだったら即教えてるよ」 「……やだ」 「なんでだよ?かわいーじゃん、ユミちゃん」 「かわいいかもしれないけど、タイプじゃない」 き、切り捨てたぞ。 良いなぁ、イケメンは。選び放題か? 「贅沢言うなよ。彼女いないんだろ?」 「……いないけど」 「付き合えって言ってるわけじゃないんだよ。メアドだけだって」 「その先に応えられないから嫌だ」 「……んだよぉ。板挟みの俺って可哀想!…何お前、好きなやつとかいるわけ?」 思わず俺は聞き耳を立てた。 「……今はあんまり女とか興味ない」 「はぁ?つれねーな」 好きなやつ、いないのかな?結局そこのところ、答えは聞けなかった。 ……てか、聞いてどうすんだよ!
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