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昼休みの教室はにぎやかだ。
梅雨はまだ明けておらず、飯田たちは教室でたむろってる。
「ナリー、いいかげん良いだろ?」
「何がよ?」
「ユミちゃんにメアド教えろってずっと言われてんだよ」
あぁ、こないだのカラオケの女の子かな。積極的だなぁ。
「陣内が教えてやれば?」
「ちっげーよ!お前のメアドだよ!俺のだったら即教えてるよ」
「……やだ」
「なんでだよ?かわいーじゃん、ユミちゃん」
「かわいいかもしれないけど、タイプじゃない」
き、切り捨てたぞ。
良いなぁ、イケメンは。選び放題か?
「贅沢言うなよ。彼女いないんだろ?」
「……いないけど」
「付き合えって言ってるわけじゃないんだよ。メアドだけだって」
「その先に応えられないから嫌だ」
「……んだよぉ。板挟みの俺って可哀想!…何お前、好きなやつとかいるわけ?」
思わず俺は聞き耳を立てた。
「……今はあんまり女とか興味ない」
「はぁ?つれねーな」
好きなやつ、いないのかな?結局そこのところ、答えは聞けなかった。
……てか、聞いてどうすんだよ!
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