2.梅雨、俺はあいつを……。

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「広野、なに頭ふってんだ?」 安藤が不思議そうだ。 「な、なんでもない!」 「いいよなぁー。イケメントリオは……。三女となんて、俺ら全くご縁なしよぉ」 飯田たちとつるむことにだいぶ慣れてきた渡部が言った。 「まぁそう言うなよ。そのうちお前らも連れてってやるよ」 「マジで?楽しみにしてるぜっ。彼女と楽しい夏休みー、夢なんだよな……」 勝手に夢みてる渡部は放っておこう。 期末テストも無事終わり、俺は41位という好成績をゲットして、楽しい夏休みを迎えられることになった。 ちなみに、飯田は9位。ホント頭良いんだよな。 一緒に勉強してて思うけど、理解力というか頭の回転がハンパない。 1を聞いて10を知るって言うのか?凡人の俺らとは構造が違うんだろうな。 チャラ系イケメンの上に頭も良いなんて嫌味なやつ……ってダチじゃなかったら思ってたかも。 同じチャラ系でも……、 「うぉぉぉっ!初の200位入りっ!」 「マジでぇ?おめでとーじんちゃん」 「そういうお前は……、120位かよ……ちっ」 「追試に補講、ったりーな……。いーよな、ナリはぁ」 という陣内安藤コンビ。なんか見た目的にこっちのが自然だな。 あ、飯田、笑ってる。 おバカなチャラ友を見てヘラッと笑う飯田を眺めてたら、突然振り向いた。
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