2.梅雨、俺はあいつを……。

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「そだ、広野ー」 やべ。見すぎた? 「夏休みじゃん?メアド教えといてよ」 ……そうなんだ。 ダチだっつっても、俺らは所詮学内どまりだったわけで。ケー番も、メアドも知らない。 学校に来れば会えるから、必要性を感じなかったんだけど。 そうか、夏休みか。学校がなければ、会えなくなる。 改めて俺は、飯田とのつながりの頼りなさを痛感した。 なんかあのユミって子が、メアドゲットに必死だったのもわかる気がした。 「俺先に送信するね」 飯田が言って、赤外線でお互いの番号とアドレスを交換した。 「たまには会おうよ。宿題とかやりに市立図書館行っても良いし……」 「飯田」 「ん?」 「遊びは?」 「……?」 「……遊び、誘っても良い?」 メアドもらったことで調子に乗った俺は、かなりの勇気を振り絞って言った。 飯田がふにゃりと笑った。 「……もちろん。楽しみに待ってる」 楽しみに……、待ってる……。 待ってる………… 俺の夏が、始まる。 .
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