3.夏、あいつの体温

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夏休みに入った。 陣内安藤コンビは補習があるはずだから、7月いっぱいは飯田と会うチャンスだ。 俺はそれがわかった上で、でもあまり不自然にならないよう、5日目にメールした。 to:飯田正成 sub:遊び行く? 明日かあさって、暇? 文面は悩んだが、ダチらしいもの……と考えて、結局一番あっさりしたものになった。 「送信……と」 ピローンと初期設定のままの着信音がして、携帯があいつからの返信を知らせる。 to:広野拓海 sub:もち行く! 明日行く?何時にどこ? 早!……てか、誘うことに気合い入れすぎて、そのあとのこと全然考えてなかった……。 ダメダメだな、俺。 to:飯田正成 sub:とりあえず 11時に駅前で。ノープランだから、なんか考えとくわ。 正直に打ったら、 to:広野拓海 sub:俺も 考えとく。てか楽しみー(^O^) 楽しみって……。 顔文字だし。
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