3.夏、あいつの体温

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次の日。 イケメン飯田とお出掛けってことで、俺は朝から悩んでいた。 何がって、服装だ。 相手はチャラ系イケ様だ。隣を歩く俺が、あんまりにあんまりじゃな。俺は引き立て役でも一向に構わないんだけれど、あいつが可哀想だし……。 悩んだものの、俺のクローゼットにイマドキのアイテムなど選ぶほどあるわけもない。結局、シンプルな無地のポロシャツにハーフパンツという無難なコーディネートになった。 こうしてみると、制服って便利なもんだ。 「よっ」 駅前に現れた飯田の笑顔はやはり今日も眩しいほどのイケっぷりだったけれど、あまり目立つ格好はしていなかった。 ちょっと小技の利いたカットソーに、パイピングがお洒落なハーフパンツ。アクセサリーは無し。 「……お前、意外と地味じゃね?」 「どぉんなイメージだよぉ?広野と会うのにチャラチャラする必要ないだろ?」 「……それは嫌味か?それとも俺に合わせてくれたと好意的に取っても良いのか?」 「もちろん好意的の方で。ほら、並ぶと超しっくり来るじゃん?」 たしかに飯田は茶髪ではあるけれど、俺が並んでも普通にダチとして通る雰囲気だった。 これなら歩いていても、周りの目など気にならない。 こういうところも、気遣いができる男なんだよな。
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