1.春、あいつとの接点

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***** 5月。 飯田が思い付いたように言った。 「広野ってさ。部活帰宅部?」 「いや、違うけど。なんで?」 「やね、放課後誘っても大体オーケーだし、あんま運動とかもしてなさそうだし……」 「……ヒョロくて悪かったな」 「いやいや、お前がムキムキはちょっと引くし……。で何部なの?」 「生物部」 「せいぶつ?そんなんあんだ?」 「……暗、とか思ったろ!」 「いや、単に何やってんのか興味あるだけ」 「……普段は培養とか実験みたいのやってる。でも基本生き物好きの集まりだからメダカの世話とか……」 「へー。なんかぬるそうだな」 「で、でも夏はキャンプとかするんだぞ。結構サバイバル。こう見えて俺、自然の中ではワイルドだから!」 「ワイルドだぜぇー?なんか似合わないな」 「るせぇよ。ほっとけ」 「うそうそ!なんか楽しそうじゃん、そのサバイバルキャンプ?」 「俺は好きだけどな。その為に週一の部活やってるようなもんだし」 「週一なんだ。……な、俺も入れる?」
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