第1章

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『綺麗だね』 隣から声が聞こえる 『うん』 爽やかな風。 ここは何処だろう。 『桜、好き?』 広い草原。 目の前には1本の桜の大木。 『好き』 花盛りの桜から花びらが散る。 まるで雪みたい…とぼんやり思った。 草原に座って、桜を見上げていた。 ふと隣を見る。 寄り添うように座っているのは、よく知っている少年だった。 短い黒い髪が似合う、ふっくらしたほっぺの男の子。 その男の子が不意にこっちを向いた。 途端に鼻を掠める匂い。 ああ、なんて懐かしい… 胸を締め付けられるような思いを感じた。
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