第5章

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「やあ。すぐに会えましたね、先生」 ビリヤード台の上に腰かけたまま 子供みたいに足をぶらぶらさせて。 和樹は呆然と立ち尽くす僕に微笑みかける。 乱れた着衣を慌てるでもなく正す余裕の仕草に 今や――憎らしさすら感じる。 「どうしました?僕に何かご用があっていらしたんでしょう?」 僕はと言えば 「ああ……その通りだよ」 冷静なフリをする以外 この幼い王子を前に 一体何ができたろう。
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