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「やあ。すぐに会えましたね、先生」
ビリヤード台の上に腰かけたまま
子供みたいに足をぶらぶらさせて。
和樹は呆然と立ち尽くす僕に微笑みかける。
乱れた着衣を慌てるでもなく正す余裕の仕草に
今や――憎らしさすら感じる。
「どうしました?僕に何かご用があっていらしたんでしょう?」
僕はと言えば
「ああ……その通りだよ」
冷静なフリをする以外
この幼い王子を前に
一体何ができたろう。
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