第5章

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「僕の指輪、返してくれないか」 「なんだそんなこと」 さんざん見せつけておきながら 嫉妬もないだろうに――。 和樹は僕の要件を聞くや つまらなそうに赤い唇を尖らせた。 「困るんだ」 「彼氏に怒られた?」 「そういうんじゃないって……言ってるだろ」 「ペアリングをはめてるのに?」 悪戯な小悪魔。 僕から何が聞きたい? ぴょんとビリヤード台から飛び降りると まだ情事の名残で生温かい顔して近づいてくる。
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