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「僕の指輪、返してくれないか」
「なんだそんなこと」
さんざん見せつけておきながら
嫉妬もないだろうに――。
和樹は僕の要件を聞くや
つまらなそうに赤い唇を尖らせた。
「困るんだ」
「彼氏に怒られた?」
「そういうんじゃないって……言ってるだろ」
「ペアリングをはめてるのに?」
悪戯な小悪魔。
僕から何が聞きたい?
ぴょんとビリヤード台から飛び降りると
まだ情事の名残で生温かい顔して近づいてくる。
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