第5章

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僕がぼんやりしているのをいいことに。 「帰らないよ。ホストがああ言ってるんだから、泊まっていくのが筋でしょう」 誠也は古女房のように 開き直って大柄に腕組みして見せる。 「勝手にしろ」 そのかわり どうなっても知らないぞ――。 舌打ちまじり 思わず頭を抱えた。 (……しまった!) 僕の左手に――。 「ねえ、僕があげた指輪は?」 愛の証がないことに 誠也は目ざとく気づいてしまう。
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