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返してもらうと言ったからには
取り戻さないとまずい――。
高級ホテルも顔負けの広い客間に
誠也が気を取られている間に。
僕は天宮家の小悪魔を探して
広い屋敷を右往左往していた。
一つ救いがあるとすれば。
あのサディストの権化のような兄の手から
和樹の手に指輪が渡っていたということ。
だけど
素直に返してくれるだろうか?
あちこち探し回ってようやく。
――人の気配がある部屋を見つけた。
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