第5章

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返してもらうと言ったからには 取り戻さないとまずい――。 高級ホテルも顔負けの広い客間に 誠也が気を取られている間に。 僕は天宮家の小悪魔を探して 広い屋敷を右往左往していた。 一つ救いがあるとすれば。 あのサディストの権化のような兄の手から 和樹の手に指輪が渡っていたということ。 だけど 素直に返してくれるだろうか? あちこち探し回ってようやく。 ――人の気配がある部屋を見つけた。
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