1人が本棚に入れています
本棚に追加
「生きるって決めてるんだろ。早く行けよ。バーカ。」意外と通ってしまう僕の美声。
「黙れ、バーカ。」なんて失礼。
あのコが、海から遠ざかっていく。
「帰れ、バーカ。」
「帰るわ、バーカ。」
なんて応酬。もう振り返りもしない。
「バーーーーーカ!」
こんなに馬鹿って、叫んだことない。
あのコが見えなくなってから、二回も聞こえた。
口の端が緩むのは、どういうわけだ。
「バーカ。」
もう二度と、会いたくないなあ。
最初のコメントを投稿しよう!