ぼくらはどうせばかだから

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「生きるって決めてるんだろ。早く行けよ。バーカ。」意外と通ってしまう僕の美声。 「黙れ、バーカ。」なんて失礼。 あのコが、海から遠ざかっていく。 「帰れ、バーカ。」 「帰るわ、バーカ。」 なんて応酬。もう振り返りもしない。 「バーーーーーカ!」 こんなに馬鹿って、叫んだことない。 あのコが見えなくなってから、二回も聞こえた。 口の端が緩むのは、どういうわけだ。 「バーカ。」 もう二度と、会いたくないなあ。
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