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「あの化け物……もしかして……」
「あぁ……私も初めて目にするが、狂鳴人のステージ2に違いない」
唖然とした顔で固まっているサトルにそう告げたレイラは柳葉刀を抜く。
「レ、レイラさん、あんた……何をするつもりや!?」
「あの駅に行くには……アレと戦うしかないだろう?」
「いや、戦うって簡単に言うけど、ステージ2の戦闘能力がどれだけあるか分かってからの方がよくないか?」
攻撃を仕掛けようとしているレイラに大雅がそう告げた瞬間、後方から枝のように細い腕が伸びてきてサトルの服を引っ張る。
サトルが身体をビクつかせて振り返ると、10歳前後と思われる少年が無表情で立ち尽くしていた。
骨に皮膚を被せただけのような少年。
小刻みに身体を震わせながら、少年は口を開く。
「あの人を傷つけないで……。あれは、僕の……お母さんなんだ」
この日、血の絆さえも狂わせてしまう凄惨な戦いが、幕を開こうとしていた――――。
――――To Be Continued
(狂鳴街―血の章―へ続く)
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