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それから半時間、狂鳴人に出会うことなく、4人は木津川沿いを歩き続ける。
いつの間にか枝分かれしていた木津川は、服部川と言う名前に変わっていた。
「あかん……もう疲れた……。でも、何でこんなに人の気配が無いんや?所々家はあるのに……」
「確かに奇妙なくらい静かですよね。狂鳴人や狂鳴犬すら居ないなんて……。とりあえず、この地図通り進むと、伊賀上野駅って言う名前の駅があるみたいです。
そんなに大きくない駅かもしれませんけど……」
サトルが地図を指差しながらそう告げると、大雅は「まだ歩くんか」と太腿を擦りながらため息をついた。
歩き続ける事1時間、4人の目に駅が見えてくる。
駅を発見した喜びの声を上げる前に、駅の前に積まれている固まりに4人は絶句した。
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