6人が本棚に入れています
本棚に追加
「宮殿だ」
「まあ、本当だわ。雲と雲の隙間に宮殿が見える。あれは一体、なにかしら?」
安西は愕然とした。出来すぎた台本だ。このまま二人はどなるのか、気になって動けなくなった。
「姫、宜しければ、あの宮殿に行ってはみませんか?」
「怖くはない?」
「それは行ってみなければわからないことです」
安西は二人の同行に吸い寄せられた。なぜだか知らないが目を話すことができない。悔しいが、先を読めないのだ。
スモッグの中に誰か新しい役者が居る。
安西は、固唾を呑んで三人を見据えた。
最初のコメントを投稿しよう!