宝石を盗んだ男

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 安西は、ポケットから、ジュエリーサバンナを取り出した。怖いくらいに輝く宝石だ時価数億の透明な光が手の中にある。  ある宝石商の取引現場からくすねてきた。このコインロッカーがある駅から三つ離れた倉庫で偶然発見したジュエリーだ。  掌に握られたジュエリーサバンナは、ダイヤモンドの中でも稀少な代物だ。安西自身も本で知った。  まさか、バイト先でお目に掛かるとは思いもしなかった。  流石に持ち歩く分けにも行かないと一時的な隠し場所を探していたのだ。  そこに飛び込んだのが、二百を越えたコインロッカーだった。  ジュエリーサバンナをコインロッカーに放り込み、安西は、駅を抜け、夜の町を歩きだした。
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