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川上には悪いけど、今のオレには何の話も耳に入らない。適当に相づちを打ちながら、部屋の前で別れた。
立花はいつものように一旦部屋に戻る。着替えてから来るだろう。
「おかえり」
「ただいま。もう大丈夫なのか?熱は?」
「もう平気、熱も下がったし。どうかした?なんか元気ないね?」
「ああ……。今日は雨だからな」
大河の後ろを通りすぎて自室に向かう。そんなオレの言ったことを理解したのか、そういうことかって言ったのが聞こえた。
バッグを放り、クローゼットから適当に服を取りだし着替える。それからスマホをブレザーのポケットから出すと、メールの画面を開く。宛先は、滴草。
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