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新・続・尻2
ひとつ
尻をもっと見せろ。スリムでピチピチのジーンズを脱いで、できればパンティーも脱いで尻を出して俺に見せろ。
もしかしたらそれによって、俺の病状は劇的によくなるのかもしれない。仮によくならないでも、進行を止めることができるかもしれない。そうしたら、俺はいくつか有益な情報を与えよう。
この部屋の鍵の場所。食料の備蓄量。避難袋の場所。電池、ろうそく、ライター、カセットコンロなどこういうときに必要そうな物の収納場所。
サバイバルのノウハウ。水の備蓄、電気が止まった場合の対処方法。外部との連絡方法。武器の創り方、扱い方などなど。
ふたつ
脱いだパンティーを頭にかぶせろ。視覚情報だけである程度の効果があるとわかった。尻を楽しむには聴覚はあまり必要はないから、あとは触覚と嗅覚、それと味覚だ。味覚と触覚は感染の危険があるので、俺としてもお勧めはしない。で、あれば、で、あればこそ、今履いているパンツのニオイをかぐことで、嗅覚を刺激することで、なにか変化があるかもしれない。
みっつ
俺を殺せ。とはいえ、恐らく、完治は難しいだろう。それこそ特効薬のようなものが作られて、この病気が治せるようになるまで、俺は生きられまい。ならば、苦しまずに、そしてお前に危害を、いや、その尻を傷つけることなくこの世を去りたい。何簡単だ。俺の頭にパンティーをかぶせて、顔を隠し、あとは押入れにしまってあるゴルフバックからアイアンを取り出して俺の頭を大きなゴルフボールを打つ要領でナイスショットをぶちかますだけでいい。これだけ大きなボールだ。はずすことはないだろう。
女は黙って俺の話を聞いた。聞いて、聞き終えて、それから女が取った行動についてはもう語るまい。
俺は至極の瞬間を向かえ、そしてそのまま意識を失った。
嗚呼、いいニオイだ。
だが、本音を言えば、欲を言えば、尻に敷かれたかった。
完
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