第1章

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「なーにいってんの、 全く」 と、 私は大げさにふくれっつらを作ってみせた。 そしたら西城くんが 「寝ぼけて、 俺の部屋なんか探すんじゃないぞ」 と、 続けた。 「うっ!」 私はリアクションに困って一呼吸。 「もう!西城くんってそういう事言う人?だれかが聞いたら、 変に思うじゃん」。 彼もイハも笑っていた。  修学旅行最終日、 日向から川崎まで夜行のフェリーで帰る。 でも、 天気は最悪。 すごい嵐になった。 それでも船が出るという。 私は酔わないと思った。 何でだかわからないが…。 体力、 精神力、 ともに自信があった。 みんなは酔い止めを飲んでいた。
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